「株価はリスクプレミアムで説明できるが、リスクプレミアムは市場センチメントに左右される」
投資指標であるPERは、株価変動の要因を説明する次の式に変換できます。
(参考:金融用語集 PER株価収益率)
PER=株価/予想EPS
株価=PER×予想EPS・・・①
PER:株価収益率
EPS:1株当たり利益
また益利回りは、次のように変換できます。
(参考:金融用語集 益利回り)
益利回り=予想EPS/株価=1/PER
PER=1/益利回り・・・②
①と②から
株価=予想EPS×(1/益利回り)・・・③
ここで、予想EPSは
予想EPS=EPS×(1+利益成長率)・・・④
と表すことができます。
また益利回りは、
益利回り=無リスク利子率+リスクプレミアム・・・⑤
と表すことができます。
③、④、⑤から
株価=EPS(1+利益成長率)/(無リスク利子率+リスクプレミアム)
と書き換えることができます。通常は、次式のように書かれます。
株価=EPS(1+g)/(Rf+Rp)
(g:利益成長率、Rf:無リスク利子率、Rp:リスクプレミアム)
この式から、次のような説明が可能です。
金利の上昇(分母の数値が大きくなる)は、株価下落要因。
リスクプレミアム拡大(分母の数値が大きくなる)は、株価下落要因。
利益成長(分子の数値が大きくなる)は、株価上昇要因。
リスクプレミアムが一定とすると
利益成長率>金利上昇率 では、株価は上昇。
利益成長率<金利上昇率 では、株価は下落。
以上から株価の変動を予想すくためには、
金利、企業業績、リスクプレミアムを予測すればよいことになります。
ここで金利や企業業績はおおむねエコノミストやアナリストのコンセンサスができていますし、新たな情報があれば瞬時に市場に織り込まれます。
一方リスクプレミアムは市場センチメント(市場心理)に大きく左右されるため、適正水準の判断はかなり困難です。何%のリスクプレミアムが適正なのかをより正確に判断するためには、統計的な情報と経験知が不可欠です。