益利回りは、株価とP/L(損益計算書)の数値を比較する指標です。
配当利回りと同様に、株式投資に利回りの概念を取り入れた指標です。
益利回り(単位:%)
=予想EPS÷株価
=1÷PER
益利回りは、予想EPSを株価で除したもので、PERの逆数となっています。
益利回りとは、
その株価の時に株式が投資家に提供している運用利回りのことで、
その株価の時に投資家が受け入れている運用利回り(要求収益率、期待収益率)のことです。
(詳細は後述)
下図は2017年~2022年の益利回りに関する統計データです。
過去5年半において、益利回りの平均値は6.76%、中央値は7.24%、最大値は9.23%、最小値は3.64%となっています。
このことから、投資家の株式に対する期待収益率は7%前後であることがわかります。
益利回りを図に表すと、下図のようになります。
投資家は、運用資金の関して必要とする運用利回りがあります。銀行は資金調達原価以上の運用利回りが必要ですし、年金基金や保険会社は予定利率以上の運用利回りが必要です。
この必要な運用利回りを、要求収益率または期待収益率といいます。
仮に
年金基金Xの予定利率10%
保険会社Yの予定利率8%
事業会社A社の予想EPS200円
とします。
年金基金Xは10%の運用利回りが必要ですから、EPS200円のA社株式に投資するには、
200円/10%=2000円
以下でなければ投資することができません。
逆にEPS200円のA社株式が2000円の時、
A社株式の益利回りは10%、ということになります。
保険会社Yは8%の運用利回りが必要ですから、EPS200円のA社株式に投資するには、
200円/8%=2500円
以下であれば投資することができます。
逆にEPS200円のA社株式が2500円の時、
A社株式の益利回りは8%、ということになります。