益利回りの国債利回りに対するリスクプレミアムを計る指標です。
通常、10年国債との利回りを比較しています。
(参考:リスクプレミアム)
イールドスプレッド(単位:%)
=株式益利回り(%)-国債利回り(%)
経験的には、株式市場が割安さの判断には使いやすい指標だと考えています。
イールドスプレッドは、
株主に帰属する純利益から株式のリスクプレミアムを計測するものです。
個別株式の投資判断にも使われますが、主に株式市場が他の資産市場(債券市場、商品市場、不動産市場)と比較して割安か割高かを判断するために使われます。
この指標により株式市場が割安と判断されれば、株式市場に資金が流入すると予測され、株式市場が割高と判断されれば、株式市場から資金が流出すると予測されます。
下図は、2017年~2022年のイールドスプレッドに関する統計データです。
過去5年半において、イールドスプレッドの平均値は6.90%、中央値は7.18%、最大値は9.24%、最小値は3.64%となっています。
これは一般的に株式は国債に対して7%前後のリスクプレミアムを要求されていることを示しています。株価の急落した局面ではこれが9%を超え、割高感が高まっていた局面では6%に近づいていました。
イールドスプレッドが8%を超えた場合は、概ね割安局面と判断することができそうです。
イールドスプレッドと日経平均の動き
(2017年~2022年)
(純利益と配当の関係について)
株主に帰属する当期純利益(当期未処分利益)は、
前期までに積み立てられた「その他の資本剰余金」「任意積立金」と合計して配当金の原資(分配可能額)となります。
配当されなかった当期純利益は、利益剰余金(任意積立金)に計上されます。