PBRは、株価とB/S(貸借対照表)の数値を比べる投資指標です。
PBR(株価純資産倍率/単位:倍)
=株価÷BPS
*PBRは、Price Book-value Ratioのことです。
*BPSは、Book-value Per Share(1株当たり純資産)のことです。 通常前期末の実績数値を用いています。
PBRは、株価を1株当たり純資産で除したもので、株価がBPSの何倍に買われているかを示しています。
PBRを使って現在の株価水準が過去と比較して割安か割高か、また同業他社と比較して割安か割高かを判断することができます。
下図は、2017年から2022年のPBRに関する統計データです。
過去5年半において、PBRの平均値は1.183倍、中央値は1.200倍、最大値は1.370倍、最小値は0.840倍となっています。
「PBRと日経平均のチャート」を見ると、
PBRが1倍を切っているときは日経平均が割安であり、1.3倍を超えて来ると割高であると判断することができそうです。
PBRと日経平均の動き
(2017年~2022年)
(PBRに関する第1のポイント)
PBRの計算式は次のように変換することができます。
PBR=PER×ROE**
ここで、PER(株価収益率)は成長性が高い銘柄ほど高い数値になります。
ROE(自己資本利益率)は資本効率が良好なほど高い数値になります。
したがって、PBRが低い銘柄は、成長性が低いか、資本効率が悪いことを示しています。
逆にPBRが高い銘柄は、成長性が高いか、資本効率が良好なことを示しています。
(PBRに関する第2のポイント)
株価が解散価値以下に売り込まれている局面では、PBRによる銘柄のピックアップはかなり有効な方法です。
ただし注意しなければならないことは、
BPSは簿価ベースの1株当たり純資産であり、株価は時価ベースの1株当たり純資産であるということです。
したがってPBRが1倍を割っている場合は、「簿価ベースの純資産が棄損していると市場が判断している」可能性を考慮する必要があります。
**PBR
=株価/BPS
=(株価/EPS)×(EPS/BPS)
=PER×ROE
BPS:1株当たり純資産
EPS:1株当たり利益
PER(株価収益率)=株価/EPS
ROE(自己資本利益率)=EPS/BPS